
「香りと記憶」をテーマに、人気作家8人が独自の世界をつくりあげる短編小説集。木の香りに惹かれている宮大工修行中の青年との不器用な恋を描いた「アンタさん(阿川佐和子)」や、ガムの香りに未だ知らぬ世界を感じる「父とガムと彼女(角田光代)」、男のジャケットの匂いに、幼い頃の夢の記憶が浮かぶ「夢の香り(石田衣良)」など、それぞれが描く「香り」にも個性が光る。ノスタルジックな気分に浸りたい、深秋の夜に。
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ある花の香りを嗅ぐと特定の場所が思い出されるなど、嗅覚がキーとなっている記憶の想起を「プルースト効果」という。そのきっかけとなった小説がマルセル・プルースト作の本書である。ある冬の日、何気なく紅茶に浸したマドレーヌを口に入れたとたん、幼年時代を思い出す主人公。第一次世界大戦前後の世相とともに綴られる全13 冊の長編。

