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- ———世界中を旅しているコエーリョさんですが、旅の魅力や旅から得られるものとは? また、旅は作品にどう反映されるのでしょうか?
- 旅をしながら書くことが多いので、登場人物も旅を通じて自分を見つめるべきだと思うことが多いですね。人間というのは絶えず変わっていくものなので、人生に導かれるままに動かないと。
そこで、今回の作品『ポルトベーロの魔女』の主人公アテナには、自己を見いだすために世界を放浪させることにしたんです。心の旅になぞらえて、体の旅をする。自分はなぜ生きているのか、なぜこの世をさすらうのか、その意味をより深い次元でつかむには、実際に旅をしてみるしかないのです。 - ———作家になられたのは40歳という遅いデビューでしたが、きっかけは?
- 作家になりたいという夢は持っていましたが、実践的な一歩を踏みだしていませんでした。しかし、1982年にアムステルダムで師(マスター)と出会い、彼の話を聞いて、私の魂がゆっくり目覚めたのです。そして一連の儀式を経て4年後の1986年にサンチャゴへの巡礼に出ることができました。
その旅で初めて、自分が幸せでないことがわかってきた。これはなんとかしなければいけないと思ったわけです。そしてゴールに到達するのに、面倒な手続きを踏む必要はないと気づいたのです。山に触れるのに、山を理解しなければいけないという道理もない。山をじっと見るだけで、神とつながることはできる。
旅から帰ると、気が抜けたようになってしまって、元の生活になかなか戻れませんでした。一方で、今すぐに生活を変えなければと焦っていました。しかし変化というのは準備が整うとやってくるもので、そのときは数カ月かかってようやく目が覚めました。自分は本を書くことだけに専念しなければならないと。それで夢に向かって最初の一歩を踏みだしたわけです。 - ———1988年に出版されベストセラーとなった『アルケミスト』は、全世界で数千万人の読者に支持されています。その理由について、どうお考えですか?
- 自分の作った登場人物たちが、世界の異なる地域や文化の中でこれほど人気を集める理由は、正直なところ、私自身にもよくわかりません。
私の場合、本を書く秘策というのはないのですが、常に自分自身に多くの制約をかけています。日々研鑽(けんさん)し、他者を思いやり、自己を理解しようと真摯(しんし)に努める、とでも申しましょうか。
本を書くときには、毎回異なる角度から自分自身へのアプローチを試みます。『アルケミスト』の場合は、例えば、書くことが私にとってどんな意味を持つのか、自分に向かって説明しようと考え、寓話形式にしました。一方、『ポルトベーロの魔女』では、神の女性的な側面を探りたいと考えました。母なる神(グレートマザー)の懐に飛びこんでみたかったのです。





