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- ———今回、浅丘ルリ子さんの半生を描くことになったきっかけは何だったのでしょうか?
- 浅丘ルリ子さんと親しい角川歴彦会長から、「浅丘ルリ子さんについて書いてみないか」と言われたのが発端でした。浅丘さんのお父様が、満州国の偉い方だったということは私も知っていたので満映の理事長をしていた甘粕正彦を絡ませよう、などととっさに思いつきました。日活時代からではなく、満州国時代から書き始めて……などと考えるうちに、その夜はひどく興奮してしまって、なかなか寝付けませんでした。
- ———石原裕次郎さんを始め、小林旭さんや美空ひばりさんなど、実在の大スターを登場させることで、書きづらい点はありませんでしたか?
- 確かに書きづらいこともありましたが、皆さんをよく知る関係者の方々から「それらしい」というお褒めの言葉をいただけて、うれしかったですね。この小説の中では小林旭さんをとても魅力的に書けたと思っています。石坂浩二さんはたぶん自己愛の強い人なんだろうな、と。会話を長くして、女に物事を教えるのが好きな男、というキャラクターを表現しました。この作品はあくまで私なりに創作したフィクションですから。
物語の核心は、男女4人の恋物語になっています。裕次郎さん、ひばりさん、小林旭さん、ルリ子さんという、当時を代表する4人が、夫婦、恋人、友人など異なる組み合わせでもつれ合いながら繰り広げる青春、とでも言いましょうか。このうち裕次郎さんとひばりさんは昭和が生んだ大スターで、早くお亡くなりになって神格化された存在です。小林旭さんとルリ子さんは、そこまで到達することはなかったけれども、ご自分の人生を幸せだったと思っている、という結末にしたかったんです。 - ———林さんが「女の生き方」という一貫したテーマで小説を描き続けていらっしゃる中で、今回、浅丘ルリ子さんというフィルターを通して読者に伝えたかったこととは?
- 私には美女のメンタリティというものが理解できず、難しかったんですけれども(笑)、どうしてこんなにカッコイイ生き方なのか、と考えた時、美貌に恵まれて多くの人から愛されて育った人には、悪意の入り込む隙がなかったのでは、と思いました。ルリ子さんには本当に裏表がない。一緒に中国に旅行へ行ったり、お手紙やお電話をいただいたりした中でも、人の悪口は一切言わないし噂話にも興味がない。ノーブレス・オブリージュとは、まさにルリ子さんのことだと感じました。この作品では、美しい女は潔く生きてこそ、より美貌が光輝くのだということを伝えたいと思っています。





